10年後を見据えた糖尿病治療
糖尿病治療の最終目標は、合併症を防ぎ、健康な人と変わらない人生を歩むことです。その実現のためには、日々の血糖コントロールが重要になります。しかし、長い間、血糖値が高い状態が続くと、全身で糖尿病の合併症(失明、腎不全、脳梗塞、心筋梗塞)が静かに、そして確実に進行します。
皆さんもぜひ一度、ご自分の10年後を想像してみてください。
どのようなあなたでありたいですか?
笑顔で10年後を迎えられるよう、一緒に頑張りましょう!
大阪玉城クリニックの最大の特徴は主治医(糖尿病専門医)を軸に消化器、皮膚科専門医と連携した合併症の早期発見、早期治療が可能であることです。
小さなクリニックでも幅広い診療が行えるよう工夫し、働く世代の方々も通院しやすい環境を整えております。
当院の糖尿病治療の特徴
1日々の血糖値から合併症の評価まで幅広く管理
●糖尿病の評価
HbA1c、血糖値等、一部院内迅速検査が可能です。①HbA1c 6.5%以上、②朝の空腹時血糖値126mg/dL以上、③食後2時間血糖値200mg/dL以上、④随時血糖値200mg/dL以上、⑤空腹時血糖値 110mg/dL未満、⑥食後2時間血糖値 140mg/dL未満、これらの①~⑥を評価基準として、糖尿病型(糖尿病疑い)で再検査が必要か、糖尿病と診断されるか、正常型なのかもしくは、いずれにも該当しない境界型なのか、総合的に評価します。
●糖尿病3大合併症の評価
高血糖状態が続くと、全身の血管がダメージを受け、糖尿病網膜症(患者様の通院先の眼科と連携)、糖尿病腎症(微量アルブミン値の測定) 、糖尿病神経障害(神経伝達速度)などの合併症を引き起こすことがあります。大阪の玉城クリニックでは、定期的に合併症の評価を行っております。
●動脈硬化の確認
高血糖状態が続くと、3大合併症の他にも動脈硬化の進行を促進させることがあります。当院では、頸動脈エコーを用いて、首の頸動脈の中内膜肥厚度(血管壁の厚さ)やプラーク(壁の一部が盛り上がり)の状態を調べる検査、足首と上腕の血圧の比較で血管の狭窄の程度を調べるABI検査を行い、動脈硬化の進展度を確認します。
●消化器専門医によるがんの精査
糖尿病の人のがんにかかるリスクは、糖尿病にかかったことのない方に比べて、約1.2倍~2倍罹患しやすいことがわかっています。大阪の玉城クリニックでは、消化器専門医と常に連携し、糖尿病の診断と治療と共に、胃カメラ、大腸カメラ、腹部エコー、胸部レントゲン検査を行っております。
●皮膚科専門医による足、皮膚全般のケア
皮膚科専門医による月1回の皮膚科診察を行っております。糖尿病に関連した皮膚病変に対して、皮膚科医と連携し、早期発見・合併症予防に努めております。糖尿病の方で皮膚疾患がある場合、通院している内科とは別に皮膚科に通わなければなりません。当院では、そのような負担がなく、安心して皮膚科の診察を受けて頂けます。
その他
禁煙外来、睡眠時無呼吸検査、骨密度検査(骨粗鬆症)なども行っております。
2女性医師(糖尿病専門医)による診察・治療
「糖尿病専門医」の資格を持つ女性医師が、豊富な治療実績をもとに的確な診察・治療をさせて頂きます。
その方の普段の生活状況をよく把握して、最適と思われる治療方針をご提案いたします。
3迅速検査
血糖値・HbA1cをはじめとする生活習慣病に関する採血の迅速検査が可能です。
当日に結果説明を行い、治療方針を立てて参ります。
4糖尿病教育入院
地域の関連病院と連携した糖尿病教育入院を行います。関連病院にて外来での通院では対応できない検査を総合的に行い、自宅や当院での通院治療に活かせるよう、サポートさせて頂きます。
4情報の共有
糖尿病に関する情報を定期的にお伝えしています。
糖尿病とは
ブドウ糖とは血液中に含まれるエネルギー源で、脳や筋肉の活動に欠かせないものです。
糖尿病はこの血中ブドウ糖(血糖)の濃度(血糖値)が慢性的に高くなる病気で、初期にはほとんど自覚症状は現れませんが、進行するにつれて喉の渇き、多尿・頻尿、体重の減少などの症状が現れるようになります。
なぜ血糖値が高くなるの?
健康な方の場合、血糖値は通常70~120mg/dlの範囲内で保たれていて、食事を摂ると一時的に上がりますが、すい臓のβ細胞から分泌される「インスリン」というホルモンが作用して、血糖を体内へ取り込みエネルギーに変えて一定量に保ちます。
一方、糖尿病の方の場合、インスリンの分泌量が減少したり、十分作用しなかったりするため、血糖を体内へ取り込めなくなり、慢性的に血糖値が高い状態(高血糖状態)が続き、全身の血管がダメージを受けて様々な合併症を招くことになるのです。
なぜ糖尿病になるの?
糖尿病にはいくつかの種類があり、その種類によって糖尿病になる背景も異なります。大きく4つに分類することができ、「1型糖尿病」と「2型糖尿病」、妊娠糖尿病、その他の特定の機序、疾患によるものがあります。
1型糖尿病
膵臓からインスリンという血糖値を下げるホルモンが全く出なくなってしまう病気であり、予防方法もなく、病気になった人の生活習慣に正すべきところがあったわけでもありません。「インスリン分泌不全症」「膵機能不全」などと別の病名をつけたほうが、2型糖尿病との違いがはっきりして誤解がないかも知れません。
人間はインスリンがないと死んでしまうためインスリンの補充が必要で、1日3~5回、自分でインスリン注射を行います。適切な治療を行うことで、インスリン注射を50年以上続けている元気な御高齢の人もいますし、オリンピック選手やプロスポーツ選手として活躍している人もいます。2016年には1型糖尿病の女性がイギリスの首相に就任しました。
2型糖尿病
日本では、90%以上の糖尿病患者が2型糖尿病です。
家族に糖尿病患者がいるなどの遺伝要因と「食べすぎ」「運動不足」「ストレス」といった生活習慣などの環境要因が密接に重なり合い、徐々にインスリンの働きが悪くなり(インスリン分泌の低下やインスリン抵抗性)発症します。正常~肥満体系の中高年に多く見られます。
糖尿病の成因による分類と特徴
糖尿病の分類 | 1型 | 2型 |
---|---|---|
発症機構 | 主に自己免疫を基礎にした膵β細胞破壊.HLAなどの遺伝因子に何らかの誘因・環境因子が加わって起こる.他の自己免疫疾患(甲状腺疾患など)の合併が少なくない | インスリン分泌の低下やインスリン抵抗性をきたす複数の遺伝因子に過食(とくに高脂肪食)、運動不足などの環境因子が加わってインスリン作用不足を生じて発症する |
家族歴 | 家系内の糖尿病は2型の場合より少ない | 家系内血縁者にしばしば糖尿病がある |
発症年齢 | 小児~思春期に多い.中高年でも認められる | 40歳以上に多い.若年発症も増加している |
肥満度 | 肥満とは関係がない | 肥満または肥満の既住が多い |
自己抗体 | GAD抗体、IAA、ICA、IA-2抗体、ZnT8抗体などの陽性率が高い | 陰性 |
〔日本糖尿病学会 編・著:糖尿病治療ガイド2018-2019,P16,文光堂,2018〕
糖尿病かな?と思ったら
糖尿病でご注意頂きたいのが、「初期にはほとんど自覚症状が現れない」という点です。そのため、ご本人も気づかないうちに病気が進行して、様々な合併症を引き起こす恐れがあるのです。
糖尿病は早期発見・早期治療が肝心な病気ですので、次のような症状に心あたりがある方は、お早めに大阪の玉城クリニックへご相談ください。
糖尿病の代表的な症状
- のどが乾き、水をよく飲む
- おしっこの回数が多く、量が多い(または、就寝中もトイレで目が何度も覚める)
- なんだか疲れやすい
- お腹がすいてよく食べるのに、体重が減っていく
- 足がつったり、しびれたりする
- 目がかすんだり、黒い点が見えたりする
- ちょっとした傷が治りにくい
- 男性の場合、性機能の問題が生じる(ED)